1975年式 XLCH の クランクケース クラック 修理のご依頼を頂きました。
前回アップした記事と同じ車両となります。
関連記事:1975年式XLCH クラッチケーブルアジャスター ねじ山修理
まずはプライマリーのドレン穴です。かなり盛大に割れております。
ドレンボルトがキックスタンドのストッパーとなっているのが原因…
かどうかは分かりませんが、この部分周辺に修復跡のある車両は何台か見ています。
土台の形状は生かしてクラック部だけ修理できればと思いましたが、
脱落していないだけで根元まで割れていました。
十分に切削してクラック除去後、溶接しやすい形状に整えます。
ダメ押しで下処理を入れて、
本溶接、肉盛。
歪みを最低限に抑えるため、溶接してはあれやこれやと挟むので時間が掛かります。
溶接完了後、ある程度外観を整えたらタイムサート仕上げの準備。
ボルトの脱着を繰り返す部分なので、これを機に従来以上の耐久性にアップデート。
まずは下穴を掘ります。
タップを立て、
インサートを入れて加締めた後に内径面取りを入れ、うすーく端面を切削して完成。
純正のドレンボルトは1/2-20山でガスケットの設定がありません。
スタンドのストッパーは増設予定とのことでしたので、1/2-13山に変更して高年式のOリング付きドレンボルト対応としました。
低い締め付けトルクで高いシール性を得られるため、更にケースに優しい仕様です。
無事に完成したと思ったのも束の間…ケース内側に微妙なクラックが発生していました…(画像は切開後のもの)
言うまでもなく各工程ごとに異常が無いかチェックしており、インサート挿入前の時点でクラックはありませんでした。
インサートの加締めに耐えられず、ピンホールあるいは表層に現れなかったクラックから拡大したものと思われます。
いずれにせよ放置はできませんし、中途半端な対応もしたくないので、潔く全行程やり直しです。
かなりお待たせしていたこともあり、再度タイムサートを使用するのはリスクが高いと判断し、溶接で完全に穴を埋め直してから直にねじ山を切って仕上げました。
穴埋めになると溶接による歪みが気になるところですが、初回溶接時と同様、全く歪みの発生はありませんでした。
クラック部の補強のためにビードは残したので、目立たないように鋳肌風のテクスチャを付けておきました。この際なので斜面部分の座屈も埋めてあります。
Eg搭載時には見えないと思いますが、もし自分がオーナーだったら、テクスチャ無しだとオイル交換の度に溶接ビードが気になってしまう故…
ちなみに溶接棒自体が純正のアルミ素材より高強度で、肉盛時に鋳物より密度が上がることで更に強度がUPします。
タイムサートの鉄製インサートほどでないにしろ、確実に純正以上の耐久性となっております。
続きます。
関連記事:1975年式XLCH クランクケースクラック修理 #2
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