1992年式FLSTC 不動修理2

 

いやぁ、本日も雪が降らなくて良かったです。こんばんは、3110です。

昨日の続きです。 お客さんに状況を報告し、作業続行のOKを頂きました。雪解けに向け、不動状態の1992年式FLSTCを呼び起こします。

スパークプラグに火は飛んでいますが、初爆すら起きません。点火時期のチェックから。

1992FLSTC ダイナS スタティックタイミング1

タイミングホールを開く前に、まずはフロントIN側のプッシュロッドカバーを開けます。

 

ハーレーは4ストロークエンジンです。吸入→圧縮→燃焼→排気の1サイクルをピストン2往復=クランク2回転で行います。

クランクが2回転するということは、進角マークも2回現れることになります。合わせたいタイミングは圧縮行程の方です。

1992FLSTC ダイナS スタティックタイミング2

ということで吸気側のプッシュロッドの動き(INバルブの開閉)を確認し、現在のストロークが圧縮行程にあるか確認しているわけです。 進角マークを合わせ、点火時期を調整します。

 

点火はダイナSが入っていたんですが、規定より相当遅れてました。たぶん三拍子狙いとか、そんな理由なんでしょう…。

1992FLSTC ダイナS スタティックタイミング3

ベースプレートの長穴を見ると違いが良く分かります。ここで5mmくらい違うと、クランク角度で2~30°のレベルで点火時期が変わります。

てなわけで、『良いアイドリング音が出ない』なんて理由でグリグリ動かすのはあまりお勧めできません。

 

お次は気になっていたSUキャブ…↓はピストンです。 ネジを緩めてドームを持ちあげたら、そのままくっついてきました。

1992FLSTC SUキャブ ピストン

原因は劣化したグリスです。 エンジンオイルのような粘性油は使用禁止!とちゃんとマニュアルに書いてあるんですが…。マニュアルには書いてないけど、グリスはさらにダメですね。

 

1992FLSTC SUキャブ ドーム

おかげでドーム側もゴテゴテです。 SUキャブはエンジンが空気を吸う力に合わせ、ピストンが細かく上下する構造です。潤滑するにしてもピストンの動きが鈍るようなものはダメ。ということですね。

 

1992FLSTC SUキャブ ドーム&ピストン

洗浄後、目の細かいサンドペーパーでキズ・段付きを均しました。マシニング目が消えない程度に、ちょっとだけ磨いてます。

再使用出来そうな状態に回復しました↓

走行中はこんな感じで動いてる…ハズ。 SUキャブのひと、興味があればエアクリ外して見てみて下さい。

で、再度組み付けて無事に始動しました。 今度はキックでも楽々始動出来ますよ。

 

オイルもだいぶ汚れていたようなので、作業ついでに一式交換です。

1992FLSTC オイル交換1

今回は、エンジンオイル:WAKO’S トリプルR、 ミッションオイル:WAKO’S RG8090R、 プライマリーオイル:HD純正 FORMULA+ となっております。 あぁ、フィルターだけノーブランド…。

 

オイル交換でも、開けたら開けたで色々出てくるわけで。

1992FLSTC オイル交換2

Towards:前置詞、(方向を示して)~向きに。 Clutch:名詞、クラッチ。

 

1992FLSTC オイル交換3

ガスケット+Oリング…ガードが堅いですね。

 

 

もう、オイル交換なのに特殊工具とか登場する破目になったりして…

 

1992FLSTC 再始動

なにはともあれ、調子良くなってくれて良かったです。

 

私もまだまだ修行中の身、普段は『ひとの振りみて我が振り直せ』と考えるよう心がけていますが、今回の作業については、

久々にキレちまったぜ

という心境でした。 カスタム云々の前に最低限、正規ディーラーレベルの整備スキルは必要かと思います。お客さんが困っちゃいますから…。

 

 

モツ掴み取り

モツ掴み取り! 異常なテンションに包まれました。 あまりにも衝撃だったのでうpしてみました。
さて、冷えてきたので帰ります。 そういえば今日はバレンタインデーか…( ´ _ゝ`)フーン

 

 

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