いやぁ、本日も雪が降らなくて良かったです。こんばんは、3110です。
昨日の続きです。 お客さんに状況を報告し、作業続行のOKを頂きました。雪解けに向け、不動状態の1992年式FLSTCを呼び起こします。
スパークプラグに火は飛んでいますが、初爆すら起きません。点火時期のチェックから。
タイミングホールを開く前に、まずはフロントIN側のプッシュロッドカバーを開けます。
ハーレーは4ストロークエンジンです。吸入→圧縮→燃焼→排気の1サイクルをピストン2往復=クランク2回転で行います。
クランクが2回転するということは、進角マークも2回現れることになります。合わせたいタイミングは圧縮行程の方です。
ということで吸気側のプッシュロッドの動き(INバルブの開閉)を確認し、現在のストロークが圧縮行程にあるか確認しているわけです。 進角マークを合わせ、点火時期を調整します。
点火はダイナSが入っていたんですが、規定より相当遅れてました。たぶん三拍子狙いとか、そんな理由なんでしょう…。
ベースプレートの長穴を見ると違いが良く分かります。ここで5mmくらい違うと、クランク角度で2~30°のレベルで点火時期が変わります。
てなわけで、『良いアイドリング音が出ない』なんて理由でグリグリ動かすのはあまりお勧めできません。
お次は気になっていたSUキャブ…↓はピストンです。 ネジを緩めてドームを持ちあげたら、そのままくっついてきました。
原因は劣化したグリスです。 エンジンオイルのような粘性油は使用禁止!とちゃんとマニュアルに書いてあるんですが…。マニュアルには書いてないけど、グリスはさらにダメですね。
おかげでドーム側もゴテゴテです。 SUキャブはエンジンが空気を吸う力に合わせ、ピストンが細かく上下する構造です。潤滑するにしてもピストンの動きが鈍るようなものはダメ。ということですね。
洗浄後、目の細かいサンドペーパーでキズ・段付きを均しました。マシニング目が消えない程度に、ちょっとだけ磨いてます。
再使用出来そうな状態に回復しました↓
走行中はこんな感じで動いてる…ハズ。 SUキャブのひと、興味があればエアクリ外して見てみて下さい。
で、再度組み付けて無事に始動しました。 今度はキックでも楽々始動出来ますよ。
オイルもだいぶ汚れていたようなので、作業ついでに一式交換です。
今回は、エンジンオイル:WAKO’S トリプルR、 ミッションオイル:WAKO’S RG8090R、 プライマリーオイル:HD純正 FORMULA+ となっております。 あぁ、フィルターだけノーブランド…。
オイル交換でも、開けたら開けたで色々出てくるわけで。
Towards:前置詞、(方向を示して)~向きに。 Clutch:名詞、クラッチ。
ガスケット+Oリング…ガードが堅いですね。
もう、オイル交換なのに特殊工具とか登場する破目になったりして…
なにはともあれ、調子良くなってくれて良かったです。
私もまだまだ修行中の身、普段は『ひとの振りみて我が振り直せ』と考えるよう心がけていますが、今回の作業については、
という心境でした。 カスタム云々の前に最低限、正規ディーラーレベルの整備スキルは必要かと思います。お客さんが困っちゃいますから…。
モツ掴み取り! 異常なテンションに包まれました。 あまりにも衝撃だったのでうpしてみました。
さて、冷えてきたので帰ります。 そういえば今日はバレンタインデーか…( ´ _ゝ`)フーン
新潟県新発田市のハーレーカスタムショップ
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