2006年式FXD・ダイナスーパーグライドの車検とメンテナンスのご依頼を頂きました。
全体像を取り忘れましたが、ハンドル等がカスタムされていたため構造変更しました。
メンテナンスですが、機関系のオイル一式交換。

エンジンオイルが真っ黒でした。本格的な乗り出し前に交換できて幸いでした。
あまり見かけないのですが、ミッションオイルも真っ黒。ドレンボルトにも金属粉。
こちらの車両はレブテックのオイルを使用されていたそうですが、規格はクリアしていてもオイルの性能にはかなりの良し悪しがあります。

近年のインジェクション車は排気量に対して超希薄燃焼状態です。燃調無しでのマフラー交換などは機関系の過熱に拍車を掛けます。
安価なオイルでは十分な保護性能を得ることが出来ません。内部部品の保護はオイルの性能に係っています。なお、今回もASHのオイルを使用しています。
その後、前後のブレーキフルードを交換しました。そして試運転してみると気になる点が…。
リアブレーキを踏むと、ブレーキペダルに脈動が伝わってきます。低速ではブレーキの利きが一定ではなく、前後にガクガクと揺さぶられる状態。
原因はこれです。
ゲージ1周で1mmなのですが、針が0.6mm強ほど動いています。
この数値の1/2を『振れ』と言いますが、ローターの振れの限界値は0.2mmとなっています。1.5倍以上限界を超えていますね。動作に支障も出ていますし、要交換です。
ブレーキローターの交換のためホイールを外そうとしたところ、アクスルシャフトに異常が。

端部が酷く潰れています。本来スナップリングが入りますが、リング溝まで潰れてしまったせいか、スナップリングも付いていませんでした。
過去の整備で、叩かないと抜けない原因があったと推測するのが妥当です。アクスルシャフトの歪みも点検します。
表面の腐食が有りましたが、特に歪んでいる訳では無さそうです。一安心。
旋盤で端面を整えて、リング溝に相当する溝を掘っておきました。

さて、ブレーキローターが歪んだ原因ですが、恐らくブレーキキャリパー周りです。

ブレーキパッドは新品に近い状態でした。『手順通りに』パッドを交換したことが原因でしょう。
パッド交換自体は難しい作業ではありませんが、ただ部品を組めば良い訳でもありません。
この部品を交換すると、どこに影響が出るのか? 機能・構造を考えることが大切です。
無事にローターの交換が完了し、ホイールを組み直しました。

もちろんナットは緩み防止剤を塗布したうえでトルクレンチ締め。
画像には有りませんが、スナップリングの代わりにワイヤーで緩み止めを施しました。
新品ローターに交換後。
振れでいうと0.03mm位でしょうか。以前の状態がいかに振れていたか、良く分かりますね。
低速・高速ともピタリと吸い付くようにブレーキが利くようになりました。これで安心して乗って頂けると思います。
市内よりお越しのT様、ありがとうございました。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ハーレーについての技術・知識を磨いてみたい若者を募集中!
経験・知識がなくても優しく丁寧に指導します(マジ)
お小遣いもGETできるので、まずはチャレンジしてみませんか?
関連記事:アルバイトさん募集【再掲】
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
新潟県新発田市のハーレー専門店
オーバーロードマシナリー
Overload Machinery
通常営業 土曜・日曜・祝日のみ
営業時間 11:00~18:00
HP:http://overload-machinery.com
Blog:http://overload-machinery.com/blog
E-mail:こちらから
所在地&TEL/FAXはこちら
For Sale!!


