2003年式XL1200S・スポーツスター1200スポーツのフロントブレーキ周りのオーバーホールをご紹介します。
2000年以降の4potキャリパー装着車に多いのですが、ブレーキレバーの握り込みがかなり深くなったということで作業のご依頼を頂きました。
以前に当店で販売した車両ですが、DIYもできるオーナーさんなので部品単体でお持ち頂きました。
関連記事:ハーレー 中古車 2003年式XL1200S
まずはマスターシリンダーから分解します。
名前の通り、シリンダー内をレバーと連動したピストンが動いて油圧を発生させます。
油圧保持のためにゴム製のシールが使用されていますが、経年劣化で弾性が失われると初動時のなじみが下がり、油圧の発生が遅れます。
新車時に比べて握り込みが深くなる一因と思われます。
また、ブレーキは頻繁に使用しますので、ピストンが擦れるシリンダー内も段付き気味に摩耗してきます。
ホーニングで内径を研磨し、段付きを修正してやります。
ピストンは問題なかったので、新品のシール類を組み付けます。
画像中央の白い点はタンクからシリンダーにフルードを吸い込むための穴です。
社外品の場合、シールがこの穴を塞いでしまう場合があります。
そうなるといつまで経ってもエア抜きが出来なくなるので要注意です。
次はキャリパーです。
一度分割したキャリパーに特殊工具を挟み、エアーを通してピストンを押し出します。
過去に力づくで外された車両も見かけますが、絶対抉らないで下さい。高くつきます…
1個抜けが悪いものがありましたが、分解できました。
動き方に差があるということはブレーキパッドの編摩耗、果てはブレーキローターの歪みにも影響してきます。ただ止まれば良いだけではないので侮れません。
一方はまだマシな方でしたが、
もう一方はシリコングリス?の残渣でしょうか…〇ンカスまみれでした😂
左外側のピストンの内径側(ややこしい)には錆びが。
ハンドルを切って停車した際、角度的に水が溜まってしまうんですね。
ピストン外径側にも、洗浄だけでは落としきれないシール接触痕が。
上の線はダストシールの跡ですが、乗りっぱなしの車両だとダストの固着で大変なことになっている場合があります。ブレーキの引き摺りの原因にもなります。
定期的に洗浄しておけばブレーキ全体の寿命や後々のコストに差が出ます。
大まかにでも良いので、たまにパーツクリーナーを吹いてあげて下さい。
磨いて新品以上に綺麗な面になりました。
しかし走行距離が少ないとはいえ、この型のキャリパーの耐久性は優秀だと思います。
新品シールを組んで復元します。シールの写真がありませんが、こちらの劣化もマスターシリンダー同様、ブレーキの性能に大きく影響しますよ。
EVO時代の片押し1potに比べ、ピストンの数が段違いなのでなおさらですね。
ブレーキパッドをはじめ可動部もグリスアップ。
同じ白濁液に見えますが別のグリスです。その他にもケミカルを使い分けて組みます。
はい、完成です。お得意様なのでガラスコーティングもサービスしておきました。
施工前後の違いが分かりづらいですが、1枚目の写真と見比べてみて下さい😅
こちらの角度の方が伝わりやすいかも。
確実にダストが固着しづらくなりますし、経年で白化気味だった塗膜に黒々とした輝きが戻ります。これだけでも足回りが締まりますよ。
組み付け後は無事に問題も改善されたようです。何よりです。
Tさん、ありがとうございました。
新潟県新発田市のハーレーカスタムショップ
オーバーロードマシナリー
Overload Machinery
通常営業 土曜・日曜・祝日のみ 営業時間 11:00~18:00
HP:http://overload-machinery.com
Blog:http://overload-machinery.com/blog
E-mail:こちらから
所在地&TEL/FAXはこちら
For Sale!!