キック始動性向上のため、ツインテック製イグニッションモジュールを装着した2000年式FLSTS・ヘリテイジスプリンガー。

こちらの作業が本命とも言えるでしょう。まずはエキゾーストを取り外し…
すでにカムカバーを開いております。

カムチェーンテンショナー交換?
カムシャフトも取り外し…ということは!

はい、ギアドライブカムに交換します。
チェーン駆動の純正方式は、バネ式テンショナーの磨耗による破損、またテンション過大でエンジン動作時の負担になるという問題点がありました。
チェーンドライブカムからギアドライブカムに変わることで、これらの問題も一気にクリア。

テンショナーが破損してエンジンが壊れる心配が無くなりますし、作業時にはベアリングもグレードアップします。専用工具で確実に作業します。
こちらが新しく組み込むカムシャフト。プレスを使ってギアにシャフトを圧入します。

カム選びはお任せでしたので、今回は低速~中速重視のカムを使用します。カムごとに特性が異なりますので、オーナーさんの乗り方に合わせてパワーアップできるのも魅力です。
サポートプレートにギアドライブカムを圧入。

ギアの噛み合い位置が決まっていますので、マーキングして確実にチェック。
ギアドライブカムをエンジンに戻す前に、クランクケース側のベアリングも交換しておきます。

抜き取りの際にベアリングが破損すると、クランクケースを割る羽目になってしまいます。
可能性はゼロではありませんが、不要なリスクを減らすために可能な限り特殊工具を揃えるようにしています。例えその工具の出番が1年に1回だったとしても…(字)
こちらは取り外したクランクケース側カムベアリング。

過去の作業でもご紹介しておりますが、新品は荷重を受けるローラーの本数が増えます。
特殊工具で圧入。

こうして見るとギアドライブカムの作業はけっこうな種類の特殊工具が必要なんですね。
ここまで分解したなら、併せて交換したいのがオイルポンプ。フューリング製の強化型オイルポンプに交換します。
より低回転から油圧を上げることができます。アイドリングの回転数を下げたい方は必須ですね。

写真撮り忘れましたが、これらの作業の際にはクランクシャフトの振れが規定値に収まっている必要があります。今回の車両は一度クランク分解しているので、非常に良いコンディションでした。
ギアドライブカムをクランクケースに戻し、オイルポンプの位置決めをしながら固定します。

そしてクランクからカムシャフトへ動力を伝達するギアを装着。こちらもタイミング合わせは確実にチェック。

ギア同士のクリアランスもチェックします。重要です。
純正ですとプッシュロッドの脱着にはロッカーボックスの脱着が伴います。割と手間です。

今回は伸縮式のプッシュロッドを使用して手間をカット。今後のメンテナンス性もアップします。
カム周辺の作業は無事に完了。せっかくなのでオイルもハイグレードな物を。

MOTUL 300V Factory Line ギアドライブカムと相まって、さらなるレスポンスと滑らかさを体感させてくれるでしょう。
キックで始動してみました。
もともと排気量がアップされていたのですが、さらにパンチのある加速になりました。
高速で長距離を走ることも多いオーナーさんですが、伸びの良さも体感して頂けたようで良かったです。
市内のK様、毎度ありがとうございます。またのご来店お待ちしております。
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2006年式FLHR ギアドライブカム&強化オイルポンプ
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