【長文注意】Fバナナキャリパーのガタ止めスプリングについての考察 #1

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FLHのフロント用に新品のバナナキャリパーを取り寄せたところ、ガタ止めのスプリングが付属してきました。
パーツリストによれば、1984年後期からの採用となっており、純正での装着率はかなり低いパーツですが、今回はこのスプリングについての考察です。

1979FLH バナナキャリパー アンチ ラトル スプリング1

なお、インスタがこの記事を書くきっかけとなったのですが、ご覧になっていない方向けにざっくりご説明しますと…

このスプリングを独自解釈で純正と異なる方式で装着し、詳細を書かずに画像を投稿

よくよく考えて、原理を知らない人が真似しても困る、有識者に知識不足と思われても困る

誤情報発信になりかねないので投稿削除のうえ、純正位置で取り付けして再アップ
「い、一応純正の装着位置もちゃんと知ってたんだから」的に説明を書く

その独自解釈は理に適ってましたか?とのコメントを頂く

情報量的にインスタで説明しきれないのでブログでご説明します…という流れです。

基本的に作業依頼に関連しない内容についてはお答えしておりませんが、ことの発端は自分の投稿ですし、単なる知識不足による取り付けミスを体よく誤魔化した風にも取れるので、その独自解釈の内容について解説します。
あくまで推測の域を出ませんので、その点を前提としてご理解のうえご覧ください。
(クソ長になってしまったので読むのが大変です…)

 

・何のためのスプリングなのか?

2本あるキャリパースライドピンのうち、下側が本体に固定されているのに対し、上側は簡単に手で抜き差しできるクリアランスがあります。
上側ピン穴の方が早く摩耗するため、下側ピンを支点に本体が下がり、最終的にローターと本体内部のパッドピンが干渉してしまいます。

このトラブルを防ぐため、摩耗が進んだ際に本体を下から支えてやろうというのが、このスプリングの役割です。しかし、考え方としては対処療法的なパーツとも言えます。

 

・静止時のスライドピンの位置関係

本題に入る前にまずは下の図をご覧ください。スプリング未装着時の各部品の位置関係(推測)となります。ざっくりの手書きで申し訳ありません。

車体左側面から見た図で、黒〇がフォークのブッシュ、ピンク〇が上下各ピン、青〇がキャリパー本体の上側ピン穴です。便宜上、クリアランスは誇張して書いてあります。

1979FLH バナナキャリパー アンチ ラトル スプリング2

ブッシュと各ピンはクリアランスがありますが、静止状態ではキャリパー本体の自重で6時方向、かつ反時計回りへ力が掛かっています。
上側ピンについてはキャリパー本体ともクリアランスがあるため、ピン穴とブッシュに左右から挟まれた形となります。

 

・上側ピン穴の摩耗が早い原因

上記の図を踏まえ、何が摩耗促進の原因となるか?という点です。

①制動時の力の掛かり方
②走行時のフォーク上下動に伴う摩擦の発生

おおまかにこの二つが考えられます。

についてはさらに、
a.本体がアルミ製のため強度が低く、制動時にローター回転方向へ発生する力に耐えられず疲労破壊により摩耗する。
b.本体とピンのクリアランスが大きいため、各部に力が伝達される位置に到達するまでの動きが発生し摩擦により摩耗する。
と分けて考えられます。

aの場合、ピストン中心が力点となるため、内周にある下側ピンに比べ、外周にある上側ピンの荷重の方が小さくなります。

また、上側ピンの受圧部分は本体の内外にありますので、見かけ上の受圧面積は下側ピンの2倍以上となります。

ただし、実際の受圧面積と、金属組織の破壊につながるピンがめり込む深さは、ピンの外径によります。
身近な例で例えるなら、ステーキに先端のRが大きいスプーンを深く刺すのは難しいですが、先端のRが小さいフォークはスプーンより深く刺さります。
本体のアルミ材の強度に対してピンの外径不足の場合、設計上の問題となりますので摩耗の低減は難しいと思います。

bの場合ですが、ブレーキを掛けるとキャリパーはローターの動きに同調します。
それに伴い、各ピンもブッシュ内径に沿って引っ張られることとなります。

1979FLH バナナキャリパー アンチ ラトル スプリング3

このとき下側ピンは本体と固定されているため自転は起きませんが、上側ピンは固定されていないため、ブッシュ内に沿って微妙に自転しながら移動するのではないかと思います。
※図の回転方向は間違いで、正しくは反時計回りの回転です。

まぁ実際にピンが大げさに自転するかは分かりませんが、いずれにせよ7時~8時方向への荷重を伴った微動が発生しているはずです。この動作も摩耗の一因と推測しました。

余談ですが、クラッチレバーのピボットピンでも荷重時に似たような動作が発生しており、ピンの回転を目視で確認できる場合もあります。
~81年までのタイプは表面がクロームの鉄製ピボットピンに対し、レバーとホルダーの素材がアルミとなっており、長穴に摩耗しやすいのは偶然とは言えない気がします。

続き:Fバナナキャリパーのガタ止めスプリングについての考察 #2

 

 

 

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