こんにちは3110です。
2005年式FLSTC・ヘリテイジソフテイルの吸排気カスタムの続きです。
前回はクランクケース側のカムベアリングを交換したところまででした。今回で完成です。
どうせカム周りをカスタムするなら、一緒にコイツを装着しないともったいないです。
もうご存知の方も多いと思いますが、Feuling社製のハイパフォーマンスオイルポンプです。
純正に比べてオイル送り量が40%アップ、戻し量が60%アップの優れ物。
三拍子に近いアイドリングや街乗りでの使用など、低回転での送油量を補うには大変効果的だと思います。
アルミビレットに赤アルマイトのレーシーなボディーも、サポートプレートを装着すると全く見えません。まさに縁の下の力持ち的パーツです。
月並みですが、マニュアルに記載されている方法よりも、さらに確実な芯出しを行って組み付けます。
次に、クランクからカムシャフトへ動力を伝えるギアドライブを組みます。
その1でちょっと書きましたが、クランクの振れ具合はこの二つのギアの動作に影響します。
ギア同士の遊び(バックラッシュ)をチェックします。ここも重要な部分ですが、規定値内でした。
あとは外した部品をもとに戻して、
キャブはミクニHSR42を装着します。ケイヒンFCRなどと同じタイプで、スロットルバルブが上下に開閉する構造です。
純正オプションでも採用されていただけあって、高性能ですが低速から高速まで扱いやすいキャブです。
今までズレているものは見たことが無いですが、一応油面高さのチェックをして、 純正CVキャブから取り外したエンリッチナーのバルブを移植。
しかし、フロートボウルのネジの固さはどうにかならんもんでしょうか…ドライバー程度じゃなかなか緩まないです。
エンジンに装着。無理の無いようにスロットルケーブルを取り回し、全開調整を行います。
エアクリーナーもS&Sのティアドロップタイプに交換し…
マフラーの取り付けに入ります。KER KERの左右出しフィッシュテールです。
スーパートラップ社の製品なのでポン付けだろうと甘く見ていたら、ステーが歪んでいてサイレンサーが装着できません。
プレスで修正します。
マッチングが悪くて四苦八苦していたため、あまり写真がありません。
マフラーの装着が完了し、外したタンクをもとに戻せば完成…
の前に、バッテリーが寿命なので新品に交換します。
社外品が付いていましたが、正直安かろう悪かろうです。 バッテリーに関しては、多少高くても構造のしっかりした純正品をオススメします。
そして完成です。 フィッシュテールが付くと、格段にFLらしさが増しますね!
一見するとチョイカスタムのFLSTCですが、中身は全くの別物です。
まずクラッチを繋いで動き出す瞬間、純正には無い、グッと車体を引っ張るトルクを感じることができます。
早い段階でシフトアップし、回転数を上げずにバタバタと走る感覚は、純正のツインカムではなかなか味わえないと思います。
また、スロットルを少し開いただけでも、間を空けずにエンジンが応答してくれるのは、ギアドライブ化の恩恵だと思います。
2000rpmを超えたぐらいからトルク感が強まり、2500rpmでは『カムに乗る』感覚を味わうことができます。 このモデルの純正ギア比で計算すると、5速2500rpmでは約100km/hの車速となります。
このときのスロットル開度はまだ1/8~1/4未満ですので、一捻りで楽に追い越しが可能です。 ちなみにパワーバンド上限の4800rpmで約190km/hに到達します。法定速度オーバーなので、もちろん実走はしていませんよ。
同じAndrewsの26HGや他社の低速寄りカムでは、パワーバンドに入りトルク感を味わえるのが3000rpm+αくらいからです。
常用回転数は3000rpm程度ですので、早い段階でトルクを引き出せるこのカムは、非常に扱いやすい特性と言えるでしょう。 個人的な感想ですが、ハーレーらしさを味わうにはベストマッチなカムだと思います!
インプレに気合いが入り過ぎましたが、文章では伝わらない気持ち良さがあります。オーナーさんに体感して頂けて何よりでした。
聖籠町のA様、ありがとうございました。力強くなったTC88を楽しんで下さい!
※年式により排気音量やガス濃度の規制値が異なり、規制値を超える場合は公道走行不可です。
保安基準適合外のマフラーは、サーキットのみでご使用頂くお約束の上で作業を行っております。
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