2005年式FXDC・ダイナスーパーグライドカスタムのセルモーター空転トラブルの修理です。
当店のお客様もお世話になっているNew Dealさんからご紹介を頂きました。ありがとうございます。
始動時にセルモーターの空転が頻繁に起こるということですが…
早速分解を始めたところ、
セルモーターから駆動されるピニオンギアが盛大に破損しています😂
ピニオンギアが噛み合うリングギアも、空転したピニオンギアに削られて完全に摩耗しています。
新旧問わず、セルスタート式の車両ではたまに見かけるトラブルです。
純正だとクラッチシェルごと交換になるようですが、まず部品代が💴💴💴です。
社外品で対策用ギアが出ているので、今回はそちらに交換します。
シェルに傷を入れないよう、リングギアを固定しているリベットを抜きます。
外した純正リングギアと対策品の比較です。
対策品は純正品より丁数を減らすことで、歯の一枚一枚を大きくして強度を上げています。
クラッチシェルの穴を少し加工してボルトで固定します。
万が一、再度ギアが使用不能になった場合でも交換が容易です。
リングギアの丁数が変わることでピニオンギアも専用品に交換となります。
というか耐久性が低いのはピニオンギアの方なので、こちらの歯の強度を上げるためにリングギアを専用品に交換している感じですね。
分解のついでにセルモーターのワンウェイクラッチギアも交換しました。
始動時のみ動力を伝える部品ですが、故障すると同じくセルモーター空転の原因となります。
交換の際には再度プライマリーカバーの脱着が必要となります。
このような機会に予防整備として同時に交換しておけば今後も安心して乗れますね。
ということで無事に修理は完了しましたが、今回の破損は根本的な原因があると思います。
それは始動時のエンジン逆回転、キックスタートで言うところの所謂ケッチンです。
修理完了後に始動のチェックをしていたところ、セルスイッチを押した瞬間に激しく異音が出ることが何回かありました。
キックの場合はアームが跳ね返される途中で力が逃げますが、セルの場合は構造上力の逃げ場がなく、負担は強度の低いピニオンギアの歯に集中すると思います。
発生原因としては点火時期、点火系部品、燃調、センサーetc…の不調と様々ですが、今回の車両は社外モジュールが装着されているので、まずは点火時期が怪しいかと思われます。
始動時にケッチン様の症状が出ている車両は後々同様のトラブルに発展する可能性もありますので、十分な経過観察が必要と思われます。
あとがきが長くなりましたが、N様ありがとうございました。
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