1992年式FXRS-SP #1 メンテ中心に…

 

1992年式FXRS-SP・ローライダースポーツエディションです。来日前の写真↓ どノーマルです。

1992FXRS-SP

この車両は過去の記事でも何回か登場してますが、ライトカスタムと納車整備の一例をご紹介していきます。ちょっと長めの記事ですがお付き合いください。

 

どノーマルで入庫したこの車両ですが、このスタイルは渋すぎなので、とりあえず要らない外装を外しました。

1992FXRS-SP1

納車前にキャブも交換してしまいます。ヤレているであろうインテークシールも新品になります。

 

新しいマニホールド…これで何のキャブが付くかお分かりですね。

1992FXRS-SP2

ヘッド側の肉厚が薄くなった現行タイプのマニ…あまりの薄さで歪まないか、ちょっと不あn…ゲフンゲフン

 

はい、S&SのEキャブ装着完了です。回して走ると楽しいキャブです。

1992FXRS-SP3

エアクリーナーも小型になって、エンジンの精悍さもグッと引き立ちます。

 

次は足回りに入ります。リアから行きましょう。

1992FXRS-SP4

この車両、走行距離は約16,000kmで、ちょうどベアリングのメンテナンス時期です。すでにグリスは真っ黒でした。

 

内部を洗浄・脱脂して異常が無いか確認。OKならベアリングのクリアランスを測定します。

1992FXRS-SP5

結果は新車同様の状態でした。まぁまだ走行距離少ないですからね^^;

なお、クリアランスが大きすぎる場合は要ベアリング交換となります。

 

ベアリングに専用グリスを充填し、シールも新品に交換。

1992FXRS-SP6

年式・車種でシールの取り付け位置が異なります。正確な位置で取り付け出来るよう、当店では専用のインストーラーを製作して対応しています。

 

ホイールを元に戻したらブレーキフルードを交換。

1992FXRS-SP8

ブレーキフルードはあまり気にされない方が多いですが、徐々に、確実に劣化していますよ。

 

とりあえずリアホイール周辺のメンテ完了。

1992FXRS-SP7

すでに前の写真で写っちゃってますが、リアショックは11インチのダウンサスに変更しました。

やっぱフェンダー深くかぶったケツ下がりがハーレーらしいですよね?

 

お次はフロント周辺。来日当初は何もなかったのですが、最近になってフォークからオイル漏れが。

1992FXRS-SP9

外観はキレイに見えても20年以上前の車両ですから、経年劣化は避けられないですね。

大体こんな感じなので、何かのついでに作業出来そうな箇所は、早めのリフレッシュが得策です。

 

フロント周りをバラしていきます。まずフォークオイルを抜きますが…

1992FXRS-SP10

こちらも真っ黒…スラッジが溜まっていて、ドレンを緩めてもオイルが出てこない状態でした。

 

当然フロントホイールもベアリングのチェックを行います。

1992FXRS-SP11

グリスはリアホイール同様に真っ黒。

 

洗浄・点検してクリアランス測定。リア同様の良好なコンディションです。

1992FXRS-SP12

グリスは汚れていますが、ベアリングはノーダメージ…指定通りのメンテナンスを行っていれば、余計な出費も無くパーツは長持ちするということです。

 

 

さて、ホイールはOKだったのでフォークの続きを。

1992FXRS-SP13

シールカバーを外します。ここに傷が残っている車両が多いです。

叩いて外すので仕方ないのですが、なんか残念。ということで傷が入らないよう、専用のポンチで対応しております。

 

うわ、やっぱ漏れてた。

1992FXRS-SP14

インナーを引っこ抜いてシールを外し、ついでに内部も徹底洗浄します。

 

1992FXRS-SP15

特殊工具で、

 

1992FXRS-SP16

シールを打ち込みます。オイルシール、ダストシールともに新品に。

 

1992FXRS-SP17

フォーク単体なのでオイル量は油面高さで調整。

 

もともとエアサスの車両だったせいか、自重でのフォークの沈み込みが大きいです。

1992FXRS-SP18

カラーを作ってプリロード調整。ストロークのフィーリングはほぼ変化なしですが、これでフォークは伸びた感じになります。

 

あとはトップキャップを締めるだけですが、ちょっとイタズラ。

1992FXRS-SP19

もともとエアサスの配管用にネジ穴が開いていたのですが、旋盤でテーパー加工します。

 

テーパー加工することで、ボルトの座面にOリングを挟むことができます。

1992FXRS-SP20

39mmフォークはオイル注入時にトップキャップを外す必要がありますが、バネの反力で締めるのも楽じゃありません。

仕様によってはハンドルを外さないと…なんてこともありますが、今回の加工でトップキャップを外さなくてもオイル交換可能になります。

 

フォークのメンテは完了したので、ネックのベアリングもチェック。

1992FXRS-SP21

1992FXRS-SP22

画質が悪いですが、上下ともに問題無し。下側、線が入って見えますが打痕ではなく光の反射です。

ここはベアリングが常に回転している訳では無く、一定部分だけ負荷を受けやすいです。そうそう分解することも無いでしょうが、たまにはチェックしてやって下さい。

 

1992FXRS-SP23

もとに戻しまーす。

 

組み終わったらブレーキフルード交換。

1992FXRS-SP24

この色。エンジンオイルならキレイなもんですが。

 

1992FXRS-SP25

エア噛まないよう新しいフルードに入れ替えて、フロント周りのメンテ作業完了です。

もちろん写真・解説以外でも要所要所、基本的なチェックを行っています。

 

コンディションが良い低走行距離の車両でも、年数が経過していればこんな感じです。

車体に関して納車整備の一部をご紹介しましたが、これで安心して走れると思います。特にホイール・ブレーキは事故に直結しますからね。

これからハーレーに乗りたい!という方はぜひ参考にしてみて下さいね。

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