気付いたら前回の記事から1年以上経っていたようです🙄
関連記事:1980年式FLH エンジンオーバーホールほか#3
![1980FLH エンジンオーバーホールほか37](http://overload-machinery.com/wp-content/uploads/2021/10/1980FLH-overhaul37.jpg)
腰上を組んでいきます。画像が飛び飛びになってますが悪しからず。
内燃機屋さんに出したヘッドが戻ってきました。
![1980FLH エンジンオーバーホールほか38](http://overload-machinery.com/wp-content/uploads/2021/10/1980FLH-overhaul38.jpg)
純正タイプの社外スタッドは問題ありなので、精度の良いVulcan Engineering製を使用します。
3社でバルブスプリングの硬さを比較。
![1980FLH エンジンオーバーホールほか39](http://overload-machinery.com/wp-content/uploads/2021/10/1980FLH-overhaul39.jpg)
バルブ周りをやり直して新品スプリングを組めば、大抵セット荷重の規定値はクリアするので、むしろバネレートを揃える方が意味が有るような無いような🤔
よくあるロッカーアームのピッチング。
![1980FLH エンジンオーバーホールほか40](http://overload-machinery.com/wp-content/uploads/2021/10/1980FLH-overhaul40.jpg)
新品に交換した方が早いですが、他の3本は軽い修正で再使用できるので直します。
出来るだけ熱が入らないように肉盛りします。
![1980FLH エンジンオーバーホールほか41](http://overload-machinery.com/wp-content/uploads/2021/10/1980FLH-overhaul41.jpg)
ブッシング交換→内径仕上げ後に特殊な方法で研磨して修正完了。
![1980FLH エンジンオーバーホールほか42](http://overload-machinery.com/wp-content/uploads/2021/10/1980FLH-overhaul42.jpg)
よりスムーズな動作とバルブ周りの負荷低減をお求めの方には、ローラーロッカーへのアップグレードがお勧めです。
ロッカーアームシャフトの交換に伴いエンドプレイも要調整です。
これは調整前ですがクリアランス過多ですね。
写真が無かったので他のショベルの物ですが、
![1980FLH エンジンオーバーホールほか43](http://overload-machinery.com/wp-content/uploads/2021/10/1980FLH-overhaul43.jpg)
初期の焼き付き防止用にピストンスカートをコーティング。
プッシュロッドは曲がりやスパナ接触部の滑めで要交換のため新品を調達。
試しにEastern製を取ってみましたが流石のクオリティです。Andrews製を取り直しました。
端折りますが腰上完成で点火時期設定に入ります。
![1980FLH エンジンオーバーホールほか44](http://overload-machinery.com/wp-content/uploads/2021/10/1980FLH-overhaul44.jpg)
ダイヤルゲージで上死点を拾います。力技でマウントしてますね。
![1980FLH エンジンオーバーホールほか45](http://overload-machinery.com/wp-content/uploads/2021/10/1980FLH-overhaul45.jpg)
カムにディグリーホイールをセットします。
ご存じの方も多いと思いますが、ショベルはクランク角の上死点前35°で最大進角を設定します。
![1980FLH エンジンオーバーホールほか46](http://overload-machinery.com/wp-content/uploads/2021/10/1980FLH-overhaul46.jpg)
が、カムシャフトはクランクの1/2の速度で回りますので、上死点前17.5°が最大進角位置となります。指針のマウントも力技ですね。
このクランク位置でタイミングホールを覗いてみるとマークが中心から微妙にズレています。
![1980FLH エンジンオーバーホールほか47](http://overload-machinery.com/wp-content/uploads/2021/10/1980FLH-overhaul47.jpg)
フライホイール外径から計算すると1°≒1.88mmとなりますので、この車両はタイミングホール基準で点火時期を設定しても誤差の範囲に収まります。
じゃあクランク角で合わせる意味が有るのかと思われるかもしれませんが、↓のような結果になった車両もありました。
![ショベルヘッド 点火時期 タイミングマーク タイミングホール 誤差](http://overload-machinery.com/wp-content/uploads/2021/10/shovelhead-advance-timing-mark-error.jpg)
こちらはカムより正確にクランクシャフト基準で角度を設定した車両ですが、完全にズレています。
約16mmの穴に対してマークがほぼ端に位置しているので、1°≒1.88mm換算では4°くらい早い点火時期でしょうか。
ここまでズレると乗り方によってはノッキングの原因になる可能性があります。
また、アドバンスユニット周辺部品をメーカー違いで比較してみたり。
![1980FLH エンジンオーバーホールほか48](http://overload-machinery.com/wp-content/uploads/2021/10/1980FLH-overhaul48.jpg)
ウェイトの重量だけでも5%くらい差があり、その他の箇所も色々差があります。
機械進角は構造上の制約もありますので、よりパワフルで安定した制御をお求めの方にはダイナ2000iへのアップデートがお勧めです。
そして完成です。エキパイが異常に焼けてますがこれは元からです。
以前は相当点火時期が遅かったんでしょうか。
![1980FLH エンジンオーバーホールほか49](http://overload-machinery.com/wp-content/uploads/2021/10/1980FLH-overhaul49.jpg)
この写真の拘りポイントは、造りの悪いフランジでも排気漏れせず、振動では絶対に緩まないエキゾーストマウントです。
エンジンはあっさり始動して調子良さげですが、今度はクラッチの引き摺りが発覚。
![1980FLH エンジンオーバーホールほか50](http://overload-machinery.com/wp-content/uploads/2021/10/1980FLH-overhaul50.jpg)
組み直した直後にしては汚れていました。
![1980FLH エンジンオーバーホールほか51](http://overload-machinery.com/wp-content/uploads/2021/10/1980FLH-overhaul51.jpg)
![1980FLH エンジンオーバーホールほか52](http://overload-machinery.com/wp-content/uploads/2021/10/1980FLH-overhaul52.jpg)
画像だと分かりづらいですが、シェル・ハブともにかなり段付きしていて要交換です。
![1980FLH エンジンオーバーホールほか53](http://overload-machinery.com/wp-content/uploads/2021/10/1980FLH-overhaul53.jpg)
プライマリーチェーンもローラーにピッチングが発生し、リンクプレートは側面が摩耗していて要交換です。
![1980FLH エンジンオーバーホールほか54](http://overload-machinery.com/wp-content/uploads/2021/10/1980FLH-overhaul54.jpg)
組み直した直後にしては汚れていました。ボルトのワイヤリングもロックプレートも入っていませんでした。
ドライブは中古良品に交換し、クラッチはプロクラッチにアップデート。
これで今後のトラブルはまず心配ないでしょう。
![1980FLH エンジンオーバーホールほか55](http://overload-machinery.com/wp-content/uploads/2021/10/1980FLH-overhaul55.jpg)
まだ仮組み状態ですが、この後スプリングのセット高を調整しナットをロック、勿体ないですがAPMのステッカーは剝いでおります。念のため補足。
プライマリーカバーを閉じようと思ったらこちらも問題発生。
![1980FLH エンジンオーバーホールほか56](http://overload-machinery.com/wp-content/uploads/2021/10/1980FLH-overhaul56.jpg)
加工されたものが付いていましたので中古純正品に交換。
![1980FLH エンジンオーバーホールほか57](http://overload-machinery.com/wp-content/uploads/2021/10/1980FLH-overhaul57.jpg)
なぜか欠品しがちなオイルスリンガーも後日装着しておきました。
ついでにブレーキフルード交換。
![1980FLH エンジンオーバーホールほか58](http://overload-machinery.com/wp-content/uploads/2021/10/1980FLH-overhaul58.jpg)
納車整備では交換されていないようです。
![1980FLH エンジンオーバーホールほか59](http://overload-machinery.com/wp-content/uploads/2021/10/1980FLH-overhaul59.jpg)
リアはエアを噛む寸前でした。チェックしておいて良かったです。
![1980FLH エンジンオーバーホールほか60](http://overload-machinery.com/wp-content/uploads/2021/10/1980FLH-overhaul60.jpg)
蓋は割れていたので交換しました。
![1980FLH エンジンオーバーホールほか61](http://overload-machinery.com/wp-content/uploads/2021/10/1980FLH-overhaul61.jpg)
滑ていたブリーダーボルトも交換してキャップをしておきました。
一通り整備が完了したので500kmほど慣らし&試運転を行い、無事納車となりました。
![1980FLH エンジンオーバーホールほか62](http://overload-machinery.com/wp-content/uploads/2021/10/1980FLH-overhaul62.jpg)
長らくお待たせしましたが、作業箇所に関しては大きなトラブルもなく乗られているようで何よりです。
今後はミッションのO/Hを行う予定なので、いずれまたブログにてアップさせて頂きます。
胎内市のO様、この度はご依頼ありがとうございました。
今後とも宜しくお願いします🙇
関連記事:1980年式 FLH 4速ミッションオーバーホール #1
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