2006年式FLHR・ロードキングのギアドライブカム&強化オイルポンプ取り付けのご依頼を頂きました。
カム周りの作業なので、まずはマフラーの取り外しからです。
お次はキャブ周り…フルチューンしたCVキャブが付いています。
キャブ周りと言いつつ、エアクリを外せばOK。今回はプッシュロッドを交換するので、キャブ本体は外さなくても大丈夫です。
仏 恥 義 理
今回はロッカー周りの分解は無しなので、プッシュロッドを切断します。なんか切なくなります。
プッシュロッド4本全てを取り外したらカムカバーを外し、1次駆動を分解。
こちらの車両、走行距離はまだ6,500km弱ですのでテンショナーの磨耗も少なめ…
ですが、この走行距離でもこれだけ磨耗する訳です。磨耗の深さを測ったら1次側0.22mm、2次側0.64mmでした。2次側は約1000kmで0.1mmの磨耗となります。
チェーン接触部の肉厚はほぼ4mmで、マニュアル記載では肉厚の半分がリミットとなっています。単純計算ですと20,000kmでリミットに達します。
磨耗の程度は車種や乗り方、メンテ状況によって異なるでしょうし、また2mm磨耗したからすぐ部品が粉砕する訳ではないでしょうが、最低30,000km前後の走行を目安に点検くらいはしたほうが良さそうです。
他の車両のケースを知りたい方はこの記事やこの記事を参考にどうぞ。
話がそれましたが、引き続き分解です。
純正オイルポンプです。まぁ開けたついで…ゲフンゲフン
ギアドライブ化にあたり、ギアの平行度が重要になります。ということでクランクの振れチェック。
今回の車両も以前作業した車両同様、振れ0です。素晴らしい。一定以上振れが有った場合、ひっそりとカバーを閉じることになります。
ということで、走行距離がかさむ前に早めの決断をおすすめします。
ケース側カムベアリングを抜き取ります。
左:純正、右:新品。 ローラーの本数が多い物に交換します。
カムサポートプレートから純正カムを抜き取り、
プレート側も新しいベアリングに交換。ギアドライブ化に伴い、軸方向へ遊びの少ないボールベアリングとなります。
プレスでカムシャフトにギアを圧入。
今回使用するのはアンドリュースの#21です。お手軽ボルトインで低中速パワーアップ。
ギアの位置合わせをしてサポートプレートにカムを圧入。
カム側は組み込み準備完了です。
開けたついでなので、当然オイルポンプも強化型に交換します。三拍子アイドリングや街乗り低回転時の油圧不足解消にどうぞ。
恒例のオイルポンプの芯出しを行って締めつけます。
1次側ドライブギアを組み付け、
ギアのバックラッシュ(歯と歯のクリアランス)をチェック。クリアランス不足だと危ないです。
分解した部品を元に戻し、
ついでにエンジンオイルを交換し、
完成です。
毎度おなじみのコメントですが、ギアドライブ化によってスロットル操作へのレスポンスが格段に上がります。
今回はCVキャブとの組み合わせのため、パワーバンド手前の極低回転でもキャブが上手く補正してくれます。ラフなアクセルワークでも気を使うことなく街乗りできます。
ひとたびパワーバンドに入れば、ツアラーの重量を感じることなく軽々と加速。高速の法定速度+α…+βくらいまでカバーしてくれるので、追い越しもアクセル一捻り。
ツアラーの用途にピッタリの仕上がりになったと思います。
M様、ありがとうございました。快適なクルージングをお楽しみください。
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