明けましておめでとうございます。
今年は最低月2でブログを更新したいところですが、どうなることやら…。
1974年式XLH1000 アイアンスポーツのキックキット取り付け等をご紹介します。
経緯としては、セルの不調によりオーナーさんご自身でキックキットの取り付けを予定していたところ、たまたま当ブログをご覧頂き「意外と大変そうなので…」という流れです。
仮組み状態でお持ち頂いたので、各部点検しながら作業していきます。
既にV-Twin製のキックキットをご購入済みでしたので、支給品で使用可能なものがあれば使用します。が、当店は基本的に部品の持ち込みはお受けしていません。
もちろんご事情次第なので一概に全部NGとも言いません。都度ご相談下さい。
アイアンスポーツあるある、キック抜けの原因になる主要部分です。
関連記事:【動画有り】1976年式XLCH キック抜け修理
画像のラチェットプレート(左)は鋼材削り出しタイプです。
V-Twin製キット付属の鉄板プレスタイプはギアの端面が傾斜しているため、相手方のスターターギア(中央)とほとんど噛み合いません。
新品で組み直すメリットが皆無なので、実質使用不可と思ってもらった方が良いです。
新品スターターギアから一度ブッシングを抜きます。
個体差によって圧入が緩いものがあり、ブッシングがずれてギアが戻らなくなったことがあります。
画像には写っていませんが、対策して組み直します。
スターターギアのブッシング小話。
簡易測定ですがギアブッシングの内径。
相手方のクラッチハブスペーサーの外径。
クリアランスは約0.1mmで、箇所によってはクリアランス過大の判定となります。
BTならクリアランスを詰めたくなるところですが、アイアンの場合は総合的にこれでウェルバランスかなと思います。
ブッシング内径の仕上げが酷いので再仕上げ。
何枚か前の単体画像と比較してみて下さい。
スペーサーも再仕上げ。
寸法の変化は1/1000mm代なので、クリアランス増加の影響はほぼありません。
新品ラチェットプレートですが、削り出しとは言えそれなりの精度です。
ラチェットギア部上面が内側外側で平面になっていなかったり、
クラッチシェルに接する裏面も歪みが発生しています。
100%の精度は出せませんが、諸々のバランスの良いところまで修正してやります。
余談ですが、前出の”ウェルバランス”という言葉について。
店主の聖書である『湾岸ミッドナイト』で目にした言葉で、劇中での使われ方とは少し異なりますが、作業にあたっても重要な概念だなと最近改めて感じています。
要は車両・お客さん・当店にとっての費用対効果、所要時間対効果の話で、日本語で言えば『三方よし』に近いと思います。
残念ながら当分『世間よし』には該当しそうにないですが笑
話が逸れましたが、XLHをキック化する場合はクラッチシェルに加工が必要です。
かなり年季が入っているので入念に清掃します。
クラッチシェルの背面が段付きになっているので、まずは平面に加工が必要です。
ただ削れば良いだけではなく、どこに対しての平面が必要かというお話です。
ベアリングの軸に対しての直角度を出して加工します。
段付きに加えて直角度も怪しいので、修正なしでは高強度のギアの利点が半減します。
アイアンのクラッチシェルは製法的に元から歪んでいるものが多いです。
加工が終わったら新品ベアリングを組み付け。
クラッチを切っている時しか回りませんが、一応国産品を使用しています。
新品ベアリングに対して治具でラチェットプレートのセンターを出して穴開け。
治具以外でも個人的にはかなり重要なポイントがあります。良かったら探してみて下さい。
プレスでリベットを加締めます。
ハンマーで叩いては無理でいス。ジブン 不器用なんで。
これでクラッチシェル側は完成。確実にセンターが出ているっぽく上手く撮れたのでは?
しかし全体の進捗では体感30%でいス(シャコ星人好き)
続きます。
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関連記事:アルバイトさん募集【再掲】
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