1966年式XLCH・アイアンスポーツリジッドのエンジンオーバーホール、続きです。
前回はカムカバーのクラックを修理したところまででした。今回は前回より更に面倒な修理です。
こちら、分解前のクランクケース下部。
オイルのドレンボルト周辺に液状ガスケットが盛り盛り。その横には明らかに後付けのドレンボルトらしきものが…。
ケースを割ってみると、案の定です。
ドレン部分にクラックが入っているうえ、ねじ山が内部で折れてボルトが空回りしています。
折れたねじ山が上手い具合に引っ掛かり、回しても叩いてもドレンボルトが抜けてきません。
どうせケースも要修正なので、ケースごとカットし、細かく分割して取り除きました。
前回同様、溶接でアルミを肉盛りしてクラックを修正、その後ドレンのねじ山を切り直します。
後付けドレンを残し、クラックを埋めただけの方が強度的には安心だと思ったのですが…。やっつけ修理な感じが出てしまうので、やはり純正形状に戻します。
なるべく歪まないよう、色々小細工をしながら肉盛りしていきます。
ケース外側
ケース内側
十分な厚さに肉盛りしたところで大まかに形状を修正し、ケースの合わせ面はフライスで面出し。
合わせ面が仕上がったら次はドレン部分の面出し。
ケースがセットしてあるのは、この加工のために仕入れたNew工具。角度調整が自在に出来るので、今後の加工の幅が拡がりそうです。
面が出たところで穴を開け、垂直にネジを切って完成です。
ご覧の通り、平面が出ているブロックを当てても隙間があきません。
やはり強度が心配でしたので、ドレンボルトは合わせ面から少し離して加工しました。
後付けドレン穴は溶接で埋めたのが分からないよう、鋳肌風に仕上げて有ります。
一発勝負ですが、上手く修正出来て良かったです。続きます。
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