1974年式 XLH1000 点火時期点検・調整

1974年式XLH1000 アイアンスポーツのキックキット取り付け…続きです。

またかなり間が空いてしまって申し訳ありません。
前回はキック装着の発端となったセルモーターが復活したところまででした。

しかし、冷間時は初爆以降に繋がりづらく、キックでの始動性が特に悪いです。

確実に点火はしているようなので、点火時期をチェックします。

1974年式XLH1000アイアンスポーツスターの点火時期と進角を点検・調整する際の最大進角タイミングマーク

手始めに現在の状態を確認します。ざっとFタイミングマークを出して…

ダイナSが入っているので、ローターを進角方向に回して火が飛ぶか確認してみます。

明るいので見づらいですが、最大進角位置でも全く点火していません。
ベースプレートの長穴で判断すれば、規定より相当遅れていそうな感じです。

こういった状況になると、前提としてアドバンスユニット(通称ガバナ)の状態が正常かどうか?の点検から行う必要があります。
アドバンスユニットの動きが悪ければ進角動作に影響が出るので、いくらダイナSの位置を動かしても適正な調整ができません。

1974年式XLH1000アイアンスポーツスターの点火時期と進角を点検・調整する際に確認されたダイナS裏側の干渉跡

プレート裏側には何かの干渉跡が…

位置的にアドバンスユニットの重りの軸が干渉したと思われますが、原因は本体の取付不良で、カムの端面までしっかり収まっていなかったようです。

1974年式XLH1000アイアンスポーツスターの点火時期と進角を点検・調整中に発見したアドバンスユニットの取付不良

嵌合部の穴には位置決めピンがありますが、こいつが程よくカムシャフトにハマるか注意です。
また、ポイントカム用のピンの端や穴のバリが飛び出ていることもあるので、こちらも注意。

アドバンスユニットのスプリング交換と潤滑を行い、動作確認OK。
これでようやく点火時期設定の準備が整いました。

1974年式XLH1000アイアンスポーツスターの点火時期と進角を点検・調整する際にダイヤルゲージを用いてピストン位置を確認している様子

ダイヤルゲージでピストンの上死点を割り出します。

年式・モデルにより異なりますが、これがフロントシリンダーの上死点マーク。

1974年式XLH1000アイアンスポーツスターの点火時期と進角を点検・調整する際にダイヤルゲージを用いて位置出ししたフロントシリンダー上死点マーク

今回はほぼタイミングホールの中央で揃っています。
ケース側の加工精度がマチマチなので、ダイヤルゲージ併用に越したことはありません。

なお、この年式のアイアンスポーツの最大進角は上死点前40°です。
上死点(0°位置)を基準に円分度器をカムシャフトにセット。

1974年式XLH1000アイアンスポーツスターの点火時期と進角を点検・調整する際、上死点マークを基準に最大進角値を割り出している様子

カムシャフトはクランクの1/2で回りますので、40°÷2=20°の位置が最大進角となります。
写真がありませんが、タイミングホールには1枚目同様『|』が表示されます。

そして点火時期設定後。今度は分かりやすくインラインスパークテスターも繋げました。
点火する際に右の円筒型のテスターがオレンジに発光します。

フレームレートの関係で発光が捉えきれていないですが、ローターを回し切ると同時くらいに点火するようになりました。
実は点火する時/しない時のバラつきがありますが、後日機会があれば詳細を解説します。

下の長穴で、従来のボルト締め付け跡に注目してみて下さい。現在と全く位置が違います。

1974年式XLH1000アイアンスポーツスターの点火時期と進角を点検・調整した後のダイナSの適正位置

オーナーさんに確認したところ、タイミングマークは意識せず、何となくアイドリングが安定する位置で設定していたとのことでした。

プレート直径の約76mmを元に換算すると、0.33mm=クランク角1°に相当します。
元位置は現在と10mm程度離れており、約30°は点火時期が遅れていたことになります。

セルの場合は連続クランキングなので強引に始動できる場合もあります。
しかし、単発となるキックのクランキング速度では、大幅に狂った点火時期で初爆以降の始動に繋げるのは難しいです。

点火時期は「三拍子ガー…」てなノリでプレートをぐりぐり動かす物ではありません。
大きく狂えば始動不良だけでなく、最悪ピストン損傷に繋がるケースもあります。
まずは規定値に基づいた調整が前提です。
そういう店主も学生の頃は同様にやっていたので、気持ちは分かりますけどね笑

当店ではアイアンスポーツ・ショベルヘッドを中心に、点火時期・進角の点検調整から、不調原因の特定・修正まで対応しています。
今回のように異常に始動性が悪い、調整しても改善しないといった症状があればご相談下さい。

まだまだ続きます。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
整備に興味のある若者、募集中!
ハーレーに限らずバイクが好きな方、
将来メカニックを目指したい方を歓迎します。
未経験でも大丈夫。基本から丁寧に教えます。
実作業を通じて知識も技術も身につきます。
興味のある方は、ぜひ気軽にチャレンジを!

👉 関連記事:アルバイトさん募集【再掲】
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

新潟県新発田市のハーレー専門店

オーバーロードマシナリー

Overload Machinery

通常営業 土曜・日曜・祝日のみ
営業時間 10:00~18:00
HP:https://overload-machinery.com
Blog:https://overload-machinery.com/blog
E-mail:こちらから
所在地&TEL/FAXはこちら

For Sale!!