1999年式FLHTC (TC88 / ツーリング)のドレンボルトのねじ山修理をご紹介します。

過去のドレンねじ山修理事例をご覧頂いたそうで、オーナーさんご自身で取り外したオイルパン単体をお送り頂いての作業依頼です。
完全にナメたねじ山の状態を改めて確認
別のアングルで確認するとねじ山の痕跡が確認できます。
が、ここまで抜けてしまうとトルクを掛けた締め付けはできません。

幸いクラックなど他の症状はなく、問題なくタイムサートによる補修が可能です。
意外と難易度が高い垂直出しと固定の工程
従来は許容を超えた縦長で固定できずボール盤で作業していましたが、固定方法の見直しで今回からフライス盤で作業可能になりました。
その際、穴に対しての垂直出しが重要となるため、どこか参照する基準が必要となります。

しかし今回のケースでは、元のねじ穴:NG、ドレンボルトの接触面:100%の平面は出ていない…という状況で、残念ながら数値的に完全な基準は取れませんでした。
ということで、ある程度”経験と勘”に頼って固定し、作業を進めます。
専用ツールでタイムサート装着の下準備へ
垂直出し、位置決めからタイムサート専用径のドリルで下穴を開けます。

その後、専用ピッチのタップでねじ山を立てますが、下穴の精度が大変重要です。
タイムサートの固定とオイル漏れ防止のポイント
念のためロックタイトを塗ったタイムサートを下穴に挿入し、ボルト状のインストーラーをねじ込むことで内部から拡張して固定します。
コイル系補修材は固定にバネの張力程度しか働きませんが、タイムサートは圧着で確実に固定できるところが強みの一つです。

その反面、インストーラーの拡張/圧着量が決まっているため、下穴が拡がると固定不良や補修後のねじ穴拡大の原因となります。下穴の精度が重要とお伝えしたのはそのためです。
固定したタイムサートを面取り加工し、45°のOリングシール面を整形します。
このシール面も塩梅が重要で、浅くても深くてもNGとなります。

Oリングを装着したドレンボルトを締め込んでいくと…
面取りが少ないとOリングが途中ではみ出してきたり、圧縮の限界に達してドレンボルトを締め切ることができなくなります。

面取りが多すぎればOリングが浮いて接触面が稼げず、シール不良でオイルが漏れます。
ボルトを締め切った際、Oリングも適度に圧縮できるクリアランスが理想的です。
基準が取りづらい垂直出しながら、ボルトの接触面も問題ない精度で仕上がりました。
こちらのお客さんは、今まで20回以上DIYでオイル交換されてきたとのことです。
タイムサートのねじ山は筒状に一体成型した鉄製となり、残念ながらナメてしまったアルミ製の元のねじ山よりも確実に強度がアップします。
今後のメンテナンスの際も、より一層安心してオイル交換して頂けると思います。
今回の作業費用
なお、今回ご紹介した作業は下記の費用となりました。
| 項目 | 金額(消費税込み) |
|---|---|
| 部品代 | – |
| 技術料 | ¥16,500 |
| 合計 | ¥16,500 |
兵庫県よりご依頼頂いたF様、この度はありがとうございました!
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