ショベルヘッド バルブスプリング組み付け【長文注意】

間が空きましたが、業者様から溶接修理のご依頼を頂いた ショベルヘッド の続きです。
関連記事:ショベルヘッド エキゾーストポート 溶接修理

今回はバルブ周りの組み付けと付随作業をご紹介します。
分解前は特に問題なく、基本的には復元でOK…とのことなので、以下のご指定頂いた箇所を中心に軽く点検して組んでいきます。

ショベルヘッド バルブスプリング 組み付け工程

バルブの擦り合わせ

バルブは固着物をクリーニングし、もともと組まれていたものを再使用します。
まずはコンパウンドでバルブとシートリング1を軽く擦り合わせます。今回はシートカット2による修正までは行いません。

ショベルヘッド 修理 オーバーホール バルブ スプリング ステム 突き出し セット 荷重 合わせ 1

シートに光明丹3を溶いたオイルを塗り、対になる相手を回転させずに軽く接触させます。
この転写の状態で当たりを確認しますが、油膜が厚いと判定精度が下がるため粘度が肝心です。
バルブ周りの判定については、全周に濃淡なく色が付けばOKです。4

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ショベルヘッド エキゾーストポート 溶接修理

業者様から ショベルヘッド のシリンダーヘッドの修理のご依頼を頂きました。
段付き摩耗したエキゾーストポートのフランジ部分内径と、一応補修済みだが位置が合っていないであろうマウントねじ穴を修理します。

エキゾーストポート周辺の状態確認

こちらはフロント側Before。インサートがせり出してます。

ショベルヘッド シリンダーヘッド エキゾースト ポート フランジ 摩耗 ねじ山 溶接 修理 オーバーホール 1
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1980年式 FLH エンジンオーバーホールほか #2

前回の続きです。
関連記事:1980年式FLH エンジンオーバーホールほか#1

1980FLH エンジンオーバーホールほか17

前回載せるのを忘れてしまいましたが、タペットブロックのボルト穴が数か所欠けていました。
半分も欠けているとこのまま使うわけにはいかないので、後程修正です。

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1980年式 FLH エンジンオーバーホールほか #1

1980年式 FLH のエンジンオーバーホールをご紹介します。

こちらは他店様で購入された車両で、数回のEg修理を経た後、腰下からフルオーバーホールされたそうです(←重要)。
しかし、アイドリング中でもブリーザーからのオイル噴出が止まらないとのことで、故障探求のご依頼を頂きました。

1980FLH エンジンオーバーホールほか1

この症状はブリーザーギア、オイルポンプ周りが原因の場合が多いです。
まずはその辺りから分解してチェックしていきます。
カムカバーがほとんど締まっていなかったので、不穏な空気を感じます。

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1969年式XLH900 オーバーホール2

 

前回の投稿から10日も経ってました… 更新が滞るのは毎度のことですが。

前回は溶接修理されたクランクケースが歪みまくり…ということでしたが、問題は他にも。
外からは溶接されているのですが、内側にはクラックが残っています。

1969XLH900オーバーホール1

クラックに塗料を染みこませて現像する浸透探傷という方法で状態をチェックします。
クラックが深いところには塗料が多く残りますので、現像時の滲みも大きくなります。

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2006年式FLTR カムチェーンテンショナー交換ほか

 

2006年式FLTR・ロードグライドのカムチェーンテンショナー交換ほかをご紹介します。
以前にサンダーマックスを装着した車両ですね。

2006FLTRカムチェーンテンショナー交換ほか1

ついでにエンジンオイル交換をするので、まずはオイルを抜きます。
オイルパンのオイルは黒く見えますが、流れているオイルは光が透けて見えています。

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【動画有り】1981年式FXEF 某コーティングと珍キャブ

 

ここ最近『某コーティング』の記事が多かったせいか、数件のお問い合わせを頂きました。

簡単に説明すると、金属同士の摩擦を減らすコーティングです。
形の無い物なので、言葉での説明だけでは効果が分かりづらいかと思います。

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ということで、今回は施工車両の動画を上げてみました。

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【長文注意】フライホイールについての考察 #1

 

皆様お久しぶりです。全くブログを更新できずにすみません…(汗)
このままだとネタがお蔵入りしてしまいそうなので、頑張って書きます。

タイトルが大げさですが、エンジン関係の作業をご依頼頂いたお客様向けの記事です。
作業紹介の補足的に、図も加えて分かりやすくまとめてみたいと思います。
・1979年式FLH エンジンオーバーホール#1
・1979年式FLH エンジンオーバーホール#2
・1982年式FXB エンジンオーバーホール#1
上記の関連記事なので、ショベルヘッドをベースに話を進めていきます。

フライホイール・クランクと芯出し

 

そもそもフライホイールって何?

ショベルヘッドフライホイール

雑誌などでも見かける言葉、Flywheel:フライホイール。日本語で言うと『はずみ車』です。
機械全般で言えば、運動エネルギーを蓄えるための回転部品のことです。詳細は後述します。
ハーレーで言うところのフライホイールは、クランクシャフトを構成する円盤状の部品となります。
使い方は大雑把なようで、クランクを指してフライホイールと呼ぶ場合も見受けられます。

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