2002年式 XLH883 スポーツスター883 の1速ギア 動作不良の修理のご依頼を頂きました。
1速を入れる際の不具合として、
・シフト操作をしてもギアが入りきらず『カラカラ…』とギアを弾く
・シフト操作後、半クラや発進時に大きな変速ショックが発生してギアが入る
といったものが代表的かと思います。持病ですね。
ギアアッセンブリーの分解・点検
問題箇所の見当は付いているので確認するために分解していきます。
画像中央の星型の部品はシフトに関連するディテントプレートという部品で、2000年からアップデートされています。
しかし2000年式以降でも同様の症状が発生しているので、直接の原因ではないと思います。
ギアのアッセンブリーを取り外したところ。
更に分解して1速のギアを取り外します。
こちらは1速ギアのドッグがはまる溝。ドッグについては下記の記事で解説しています。
関連記事:1981年式FXB クラッチ周り整備・調整1
矢印部分の角が滑ています。
こちらはドッグを兼ねている3速ギア。スライドして1速の溝にはまります。
1速ギア同様にドッグの角が滑ています。
原因は様々なので割愛しますが、この形状を変えることで停車時でも1速にシフトしやすくなります。
アンドリュース製の対策品ギアの組み付け
こちらはアンドリュース製の1速ギア&3速ギアセット。
矢印部分の形状に注目。
ドッグの角に傾斜を付けることでスライドした際に噛み合いやすくなっています。
組んでいきます。
距離を走っている車両でしたら同時にオーバーホールするのも良いでしょう。
ついでにサービス。左が純正状態、右が研磨後。
ディテントプレートは↓のシフタードラムという部品の端面に付きます。
接触するピンの高さがズレていてガタがあり、平行に装着できなかったので修正。
おまけ。上が純正状態、下が研磨後。研磨と言っても寸法の変化がない範囲です。
整えた面に”某コ”を塗って組むと動きが変わります。
完成前に使用すると変化を体感しづらくなりますが、まぁお守りみたいなものです😓
最後に『穴に2.9mmのドリルを挿す』という、文面で見ると謎な調整を行い完成。
その他も復元。
調整不良でクラッチリリース機構がカバーにヒットしている車両があります。要注意。
ドライブベルト交換
時系列が前後しますが…
自走入庫予定だったため家を出ようと1速に入れた瞬間にベルトが切れたとのことでした。
リアアクスル調整ナットが当たるプレートが締め過ぎで変形していました。
修正しておきました。
その他にスロットル全開調整、Egオイル&オイルフィルター、スパークプラグ交換を行い
完成です。
1速を頻繁に使用する街乗りを中心に入念に試運転しましたが、無事に問題は解決しました。
当たり前の話かもしれませんが、ストレスフリーで乗れるというのは気持ち良いですね!
なお、今回ご紹介した作業は下記の費用となりました。
項目 | 金額(消費税込み) |
---|---|
部品代 | ¥105,300 |
技術料 | ¥89,700 |
合計 | ¥195,000 |
新発田市内よりお越しのY様、ご依頼ありがとうございました!
またのお越しをお待ちしております!
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関連記事:アルバイトさん募集【再掲】
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