1980年式 FLH の4速トランスミッションオーバーホール等のご依頼を頂きました。
以前にエンジンオーバーホール等を承った車両です。
関連記事:1980年式 FLH エンジンオーバーホールほか #1
以前よりシフターレバーの遊びが過大で、修理ついでにミッションもオーバーホールする流れとなりました。
とりあえず降ろしたところ。
シフター根元での遊びはこのような感じです。
ご覧の通りの状態なので、車載状態でも増し締めを試みましたがダメでした。
まあ滑てますよね。
シフターシャフト受けのブロックほか、リンク周辺部品は摩耗のため要全交換です。
分解を進めていくと中身も残念な状態でした。
車両全体の状態から良くはないと思っていましたが、正直なところ予想以上にNGでした。
主要な部品の多くが新品に交換となります。
カウンターシャフトのケースブッシュもまぁまぁ削れています。
洗浄後にスタッドやダウエルピンを全て抜き、各部を面出し。
新品のカウンターシャフトブッシュ。
この部位に限りませんが、メーカーによっては圧入部の径や面粗さの修正が必要です。
そのまま組むと圧入部の内径が抉れたり、最悪クラックの原因になりかねません。
Andrews製の新品メインシャフトと1速・2速ギア。
こちらもギアブッシュ接触面は面粗さを改善しています。
新品でも爪で擦ると意外とザラザラしてるんですよね。
カウンター側3速・4速ギアはメータードライブのリングギアを入れ換え。
せっかくなので3速がクロスレシオのものにアップデートです。
クロスレシオについては下記参照ですが、説明がやや分かりづらいので次回改めて説明します。
関連記事:1978年式 FXEF 4速ミッション オーバーホール
下準備が出来たら、本組み前に各部の横方向クリアランスを調整しておきます。
測定にはシックネスゲージより精度の高いピックゲージ・ダイヤルゲージを使用します。
既定のワッシャーでクリアランスに過不足があれば、肉厚を加工調整して適切な数値を狙います。
Andrews製のメインドライブギアでもクリアランスが不適切でした。
後のシフターフォーク調整に影響するので、スペーサーを加工して規定値に収めます。
新品シフターフォークシャフトも研磨。
部品が軸方向にスライドする部分なので、回転するより部分より違いが大きいです。
クリアランスが整ったギアを組み付け、シフターフォークの調整に入ります。
※ギアの動作について知りたい方は下記記事参照。
関連記事:1981年式FXB クラッチ周り整備・調整1
スムーズな変速とギアの噛み合い保持のため、ドグとギア間のクリアランスが指定されています。
ダミーのトップカバーでニュートラル時(以下N時)を再現し、シフターフォーク位置を確認・調整します。
ギア本体のクリアランス設定次第では変速時にギアとドグが接触する可能性があります。
N時だけでなく、各ギアに変速した位置でもクリアランスと噛み合いを確認します。
こちらは1速時。
端折りますが4速時。
全ギアでN時、変速時ともにほぼ均一なドグのクリアランスが設定できました。
地味な作業ですが、シフトフィールや予期せぬギア抜け発生に関わりますので大事です。
続きます。
関連記事:1980年式 FLH 4速ミッションオーバーホール #2
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関連記事:アルバイトさん募集【再掲】
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