1980年式 FLH エンジンオーバーホールほか #1

1980年式 FLH のエンジンオーバーホールをご紹介します。

こちらは他店様で購入された車両で、数回のEg修理を経た後、腰下からフルオーバーホールされたそうです(←重要)。
しかし、アイドリング中でもブリーザーからのオイル噴出が止まらないとのことで、故障探求のご依頼を頂きました。

1980FLH エンジンオーバーホールほか1

この症状はブリーザーギア、オイルポンプ周りが原因の場合が多いです。
まずはその辺りから分解してチェックしていきます。
カムカバーがほとんど締まっていなかったので、不穏な空気を感じます。

ブリーザーギア周りは後程ご覧頂くとして、まずはオイルポンプです。

オイルラインの詰まりの原因となるため、オイルポンプへの液状ガスケット使用は原則禁止なのですが…。

1980FLH エンジンオーバーホールほか2

また、ケース側にはプラ、カバー側には紙のガスケットが使用されていました。
通常は同じ素材同士で使用する物なので、ミックスは初めて見ました。

オイルポンプはEg内部へオイルを圧送する側と、オイルをタンクへ回収する側の2系統の機能を持っています。
回収側に問題があるとEg内部へのオイル残留が増え、ブリーザーからのオイル噴出の原因になります。

回収側のオイルポンプ本体の状態です。

1980FLH エンジンオーバーホールほか3
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壁に深い傷が入っています。傷の原因は異物噛み込みによるもので、構造上ショベルには多く見られます。
この状態だと本体とギアに隙間が出来てオイルが逃げてしまうため、オイルの回収量が減ります。

回収側ギアの状態。鉄製なのでダメージを受けることはほぼありません。
しかし何か光り方に違和感があると思ったら、

1980FLH エンジンオーバーホールほか5

ギアの側面が削られて平面が出ていませんでした。

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よく見ると中央より端が下がっていることが分かると思います。
先述の通りで、本体とギアの隙間はオイル回収に影響します。

そもそも何故ギアの側面を削る必要があったのか…ということですが、

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これが理由でしょうか🤔 いずれにせよオイルポンプは要交換です。

順番が前後したブリーザーですが、すでにオーバーサイズが入っていました。

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ちなみにOH後未走行とのことですが、すでに何か引っかかってますね。

オーバーサイズ化されたケース側の状態はというと、

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金属パテが盛られていました。

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クラック修理と思われます。

内部にも一部パテが。

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目視では内部まで貫通したクラックは見当たりませんが、リスクが大きいので溶接後にスリーブを入れて確実に修理したいところです。
その旨ご提案させて頂きましたが、ご相談の結果、今回は現状で様子を見て、次の機会に修理することになりました。

分解ついでにカム周りもチェック。

タペットローラー。

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金属疲労で表層剥離を起こしています。要交換です。

カムシャフト。

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ダメージが大きいのでこちらが先に摩耗したんでしょうかね。いずれにせよ要交換です。

フルオーバーホール済みにしては問題が箇所が多く、報告する側も気まずい展開です。

続きます。

関連記事:1980年式FLH エンジンオーバーホールほか#2

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