前回の続きです。
関連記事:1980年式FLH エンジンオーバーホールほか#1
前回載せるのを忘れてしまいましたが、タペットブロックのボルト穴が数か所欠けていました。
半分も欠けているとこのまま使うわけにはいかないので、後程修正です。
前回の状態を踏まえ、この機会に腰上も点検してほしいとのことなので分解していきます。
過去にピストンピンのロックリングが外れるトラブルがあったそうで、状態を気にしながら分解したのですが、S&S製の鍛造ピストンが入っていました。
鍛造は材料を圧縮後に成型するため密度が高く、鋳造の純正仕様より熱膨張が大きくなります。
それに合わせてシリンダーとのクリアランスを大きく取らないと、焼き付き等のトラブルの原因となりますが、今回はメーカー指定の2倍以上のクリアランスで組まれていました。
10万km走ってもそこまで摩耗しないので、計測ミスかと思い3回も測定してしまいました。
全くダメージはありませんが、オーバーサイズを入れるしかありません。
ヘッドも分解していきます。
写真を撮っていませんでしたが、ロッカーアームとシャフトは摩耗してクリアランス過大なので要再仕上げです。
カバー固定用のスタッドボルトはねじ山が壊れて抜けてきていました。
ナットは高強度のロック剤で緩まないようになっていましたが、適切なトルクが掛かけられないとオイル漏れの原因になります。
また、DIYではオイル漏れの際に増し締めしがちですが、規定トルク以上の締め付けはこのようなスタッド抜けの原因となります。
せり出したスタッドの根元がクサビとなってカバーを割ることがありますので、要注意です。
ガスケットを取り除いたところ、ガスケット接触面までブラストされているようです。
どのみち面出しするのですが、凹凸が大きいとなかなか手間です。
ヘッドガスケット面はさらに手強いです。
エアツールのサンダーで擦られたような跡が残っています。
完全に面が歪んでしまっていて、これは機械で切削加工しないと面出しできません。
続いてバルブ周りのチェック。ガイド穴にクラックが入っています。
年代的に鋳造の精度が低いため、個体差でガイド穴周辺の肉厚が薄い場合もあり、ガイド交換時にクラックが入ることも少なくない…のでしょうか?
内径の仕上げもあまり宜しくなかったので、再仕上げの機会としては丁度良かったと思います。
ガイドを抜いてみましたが、ヘッドの肉をえぐりながら入っていたようです。
外径は4本ともほぼ均一でしたが、ヘッドの内径にバラつきがあり、ガイドが太すぎてクラックが発生したのかもしれません。
内燃機屋さんで製作した物と思われますが、爪が引っ掛かるような切削跡が残っているので、ヤスリでヘッド内径を削っているような状態です。
現在は精度の良い社外品が手に入るので、自社で作業する場合はそちらを使用しています。
面出しの準備でスタッドを抜いていましたが、前後1本ずつ、どう頑張っても抜けないヤツが居ました。
時短のためにここは内燃機屋さんにお任せします。決して面倒臭いからではありません🤫
続きます。
関連記事:1980年式 FLH エンジンオーバーホールほか #3
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