1974年式 XLH1000 キックキット取り付けほか #3

1974年式XLH1000 アイアンスポーツのキックキット取り付け…続きです。

かなり間が空いてしまって申し訳ありません。
前回はキックキットの取り付けが完了したところまででした。

今回はキック装着の発端となったセルモーター動作不良の修理等をご紹介します。

ソレノイド周辺の点検

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そもそもスターターリレーがNGのため新品に交換。
交換後はリレーの動作音は聞こえるものの、ソレノイドが動作している様子がありません。そして画像中央のスプリングがやたら長いような…。

一旦周辺部品を分解した結果、矢印のピンが長さ違いで入っていました。

右が正規品で、ピンの両端がピニオンギアを押し出すアームに接触します。
左は元部品ですが長さ不足のためアームに接触しておらず、ソレノイドが動作してもアームが連動しません。

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そしてソレノイドを単体で点検したところ、動作不良を併発していました。

正常品に交換して組み立てたところです。

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スプリングはある程度圧縮されているのが正常です。
見えづらいですが、ピンの向きも元の組み方と90°向きが異なります。

関連する配線各部、劣化や被覆の損傷などまぁまぁ危険な状態でした。

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必要に応じて引き直しています。

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スターターモーターの点検

入庫時は1.4kwの強化型セルモーターが装着されていました。
純正の出力は約0.6kwですが、不具合が無ければ出力的に問題は無いと思います。
無駄に出力を上げても消費電力と負荷が増えるだけなので、純正に戻します。

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元々装着されていたという純正品、点検のために開けるとこのような状態…。

汚れは洗浄すれば済むのですが、主要な部品が摩耗しています。
アーマチュアというモーター軸部のコイルですが、矢印部は溝が無いといけません。

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溝を掘り直して再使用可能な場合もありますが、修正できない程摩耗しており要交換です。

納車整備段階で発覚していそうな不調ですが、案内すら無かったようでお気の毒でした。
乗り出し費用の違いはこういった部分に反映されます。

幸い同型モーターの中古良品があったのでAssy.で交換となりました。
Assy.交換といっても分解点検は行っています。

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アーマチュアに段付き摩耗は無く、溝もしっかり残っています。

単体で通電して動作確認。

一応動作しても回転が遅い場合は要チェックです。

各部品を組み付けた後、スターターシャフトの最終動作チェック。

ソレノイド・スターターモーター共にしっかり動作するようになりました。
なおアース線も劣化していたので同時に交換しています。大事です。

プライマリードライブ周辺の復元

テンショナーのパッドが減っていたので、開けたついでに交換。

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復元していきます。摩擦材が硬化していたクラッチ板も新品に交換しました。

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適切なトルク管理に加えてロックタイトで緩み防止を確実に。
ロックタイトを使用しておらず、主要部分が緩んでいる車両が少なからず居ます。

クラッチケーブルアジャスターねじ山修理

プライマリーカバーのクラッチケーブルアジャスター部のねじ山が終了寸前でした。

当店の販売車両では見かけませんが、ねじ山が薄いので意外と多いトラブルなのかも。
また、クラッチケーブルのメーカーや取り回し次第でも負荷が変わります。

おなじみのタイムサートで補修しておきました。
母材が肉薄とはいえ、多少なりとも強度・耐久性アップが期待できます。

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この部分のねじ山補修作業の詳細は下記のリンクもご参照下さい。

バッテリーの点検

こちらは分解前に撮影したものですが、バッテリーの状態も重要です。
当店では容量を測定できる専用のテスターでチェックしています。

劣化したバッテリーは満充電状態でも新品より容量が下がっています。
スマホのバッテリーも劣化してくると満充電からの持ちが悪くなりますよね。

瞬間的に出力できる電力がセルスタート時の消費電力を下回ると要交換となります。
このバッテリーは多少放電していますが、補充電で再使用可能な状態でした。

バッテリー液面が下がり気味だったので補水しておきました。

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開放式バッテリーは水分の蒸発が寿命に影響します。
走行距離や環境によりますが定期的に点検・補水しましょう。

セル&キックが使用できるようになりましたが…まだ続きます笑

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