1979年式FLH、ショベルヘッドのエンジンオーバーホールの続きです。
前回はヘッド周りの作業でした。今回はクランクケース周りの作業です。
この車両のクランクケース、マウント部リア側は欠損していました。
フロント側はボルト締めすぎのせいか、0.5mm強も座面が凹んでしまい要修正。
ケースの修正が済まないと何も先に進まんなぁ…と思い、
マウントの修理を行ったのですが、
致命的な問題が。ケースが温まった状態だと、アルミに鋳込まれた鉄部分が動いてしまいます。
ベアリングレースが収まる部分なので、ここが動く=クランクの中心軸が振れるということです。
心臓部なので超重要箇所ですが、鉄の上からアルミを鋳造して成型されているため、根本的な修理のしようが有りません。
本来であれば真っ先にチェックすべき箇所ですが、当時、作業の進行状況が思うようでなく、焦りのせいで段取りが逆転してしまいました。全くもって未熟であります…。
ケースは交換となりましたが、マウントの修理費用と相殺し、かつ特価にてご提供させて頂きましたので勘弁して下さい(;´Д`)
で、新品のS&S製クランクケース、このような状態です。
外側から内側に向かって、ケースの合わせ面が常盤から浮いています。
要修正かよ↓…と落胆しそうなところですが、よく見てみると、
シリンダーデッキ面も外側から内側に向かって隙間が空いています。
そしてケースの合わせボルトを締めるとデッキ面は平面となります。
デッキ面の切削跡から分かりますが、成型時にはケース左右を合わせて加工しています。
左右分割のケースは締め付けトルクによって変形が発生するためで、実働時の歪みを考慮しての加工という点では、シリンダーボーリング時のトルクプレートも同じですね。
ケース下部では合わせ面の面積が大きく変形は少ないですが、シリンダーボア周辺では合わせ面の面積が少なく、変形量も大きくなると思います。
締め付けトルクが掛かっていないケース単体で、合わせ面の平面を出すと、デッキ面の平面にも影響が及ぶと思われるので、面出しは切削跡の均しやバリ取り程度に留めておきました。
で、ピニオンベアリングのクリアランスをチェックして、次はカムカバーのブッシング周りに。
ブリーザーのパイプが当たってカムカバーが装着できません。
カムカバーが装着できるように加工後、
カバーの面出し→ブッシング圧入→リーマーで内径&ライン出し。
純正Hカムは軸の段付き&カム山虫食いのため、S&S製Hカムに交換。
ギアのバックラッシュを調整し、丁度良い回り具合に。
オイルポンプはフィード側、リターン側ともガリガリに抉れていました。
S&S製に(ry
つづく。
新潟県新発田市のハーレーカスタムショップ
オーバーロードマシナリー
Overload Machinery
通常営業 土曜・日曜・祝日のみ 営業時間 11:00~18:00
HP:http://overload-machinery.com
Blog:http://overload-machinery.com/blog
E-mail:こちらから
所在地&TEL/FAXはこちら
For Sale!!