1979年式FLHのカスタムのご依頼を頂きました。
16インチキャストがFLHの面影を残すも、すでに全体に手が加えられています。

現在のスタイルで十分まとまっていると思いますが、ここから大きくイメチェンしていきます。
今後の比較用に、車体左側も載せておきます。

2インチのオープンプライマリー+ミッドコンを改造してスーサイドジョッキー化されています。グラスシフトノブが良い感じです。
では作業へ。フロント周りから大まかに紹介します。
今回はFLH純正の41mmワイドグライドから、35mmナローフォークへと変更します。

社外の35mmフォークがメーカー在庫切れだったため、純正の中古品を使用することに。
かなり状態は良かったのですが、いかんせん古いものですので全バラして洗浄・点検です。
もちろんシールなど消耗品は新品に交換。

おなじみ油面ゲージで油面高さを調整。35mmフォークは油面の設定次第でフィーリングが随分変化すると思います。
35mmナロー化に伴い、ホイールも変更です。

ハンドシフトなので坂道発進などの実用性も考え、21インチのミニドラムホイールを使用します。
タイヤはファイヤーストーンの『Racing』というモデルを装着。
今まで旧車チックな21インチタイヤは実質AVONのSP-Mk2くらいしかありませんでした。

SP-Mk2より更にシンプルなデザインです。デザインというかむしろ縦溝のみ。リブの深さもこちらの方が深いかも。
一応スタンドに載せてバランスは見るものの、ファイヤーストーンブランドのタイヤはどうにもこうにも…タイヤ自体上下に数mm振れてたり。お察し下さい。
フロントエンドをごっそり外して車体側の準備はOK。

撮り忘れましたが35mmナロートリプル&フォークを装着、ベアリングも新品に交換です。
ホイールを装着するのですが、ミニドラムホイールは汎用品となります。純正ホイールとは全く互換性が有りません。そこで、

上:外径の違うアクスルシャフトを使用するために、断面がC型のカラーを作ります。アクスルシャフトを純正と同じ外径に変換しつつ、確実にクランプできます。
下:ハブの幅も異なりますので、センターを出すために旋盤でスペーサーを加工。
これでホイール自体の装着は無事に完了しました。が、

ドラムブレーキなので、バッキングプレート(ブレーキ本体)の回り止めを付けなければいけません。
ドラムブレーキといえば、通常は下のピンク線のように板や棒を使って回り止めにします(ホイールキットにも板が付いてきます)。

しかし、せっかくホイール周りがシンプルになったのに普通に回り止めを付けるのも…むしろ目立ちそうな気がします。
ということで、なんとかシンプルに固定出来ないものか妄想。

各部採寸し、CADで図面を引いてシミュレーション。いけるかも…。
旋盤でカラーを作って、

そのカラーを板に圧入し、

ぐるっと溶接。

これをバッキングプレートに装着し、
フォークに付けるとこうなります。

長い板を引っ張らずともバッキングプレートを固定できます。仕上げてないので見た目は綺麗ではありませんが、寸法はピッタリ。
上から見るとこんな感じ。とにかくシンプルです。

横からの画像撮り忘れましたが、フォークに隠れて回り止めはほぼ見えません。
ということでフロントがナローフォークに変わりました。

部品の装着にあたっては加工や調整が必要でしたが、これだけ雰囲気が変わるなら付けた甲斐がありますね。
それと今回作ったC型クランプやカラー、ブレーキの回り止めはオリジナル部品として生産を検討しています。
2013/03/02追記:せっかくなので、回り止めを横から見た画像を追加しました。

こんな感じに目立たなくなります。
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